最先端の医療を、技術で支える。高度な技術と温かい心をもった専門士を育てる。
本学臨床工学学科では、「臨床工学技士法」に基づき、また、関連企業等と連携した実践的な教育を行っています。本学科で学ぶことにより、臨床工学技士として必要な知識・技術・技能及び医療従事者としてふさわしい態度を身につけることができます。
臨床工学技士は、医療機器の操作と保守点検を行う医療専門職です。病院内で医師や看護師などの医療従事者とチームを組んで、生命維持管理装置*1の操作などを担当しています。また、医療機器がいつでも安心して使用できるように保守点検*2を行なっており、安全性確保と有効性維持に貢献しています。
臨床工学技士法の改正により、新しい業務が追加されました。高度で、適切な医療を確保するために、さらに期待されている国家資格です。
*1 生命維持管理装置とは人の呼吸・循環または代謝の一部を代替したり補助する装置のことです。例として人工呼吸器、人工心肺装置、血液浄化装置があります。
*2 医療機器は生命に直結するため小さな故障も見逃せません。医療機器の保守・点検を行い常に医療機器が安全に使用できるように管理することが重要です。
病院などの医療機関
医療機器メーカー
臨床工学技士養成校 等
確実な
国家資格取得
直近5年間の平均合格率は94.5%。全国平均を大きく上回る国家試験合格率を達成しています。学科独自に実施する対策講義や模擬試験に加え、小グループによるきめ細かな指導で、確実に国家資格取得へと導きます。
安心の就職率
100%
キャリア教育の講義・実施を取り入れ、就職試験を想定した一般常識などの筆記試験対策と、個人の特性を活かした面接指導で、すべての学生が安心して就職活動に臨むことができます。
全員で向上する
人間力
進級・卒業・資格取得の目標に向かって全員で協力しながら取り組むことで、目標を達成する力と協調性を養い、チーム医療の中で求められる医療専門職として必要な人間力を育みます。
臨床工学学科は、以下に示すような人材を求めています。このような学生を適正に受け入れるために、多様な入学者選抜を行います。
1. 人を思いやる心をもち、その気持ちを行動に移せる人。
2. 協調性を重んじ、礼儀正しい人。
3. 医学と科学に関心をもっている人。
臨床工学学科は、「チーム力」をスローガンに掲げています。クラス全員で楽しみ、悩み、支え合い、課題を解決していくことで、全員の卒業と臨床工学技士国家試験合格を目指します。授業では医学と工学の両方を基礎から学び、実習では患者さんや医療スタッフとコミュニケーションを取りながら状況を把握し、医療機器を操作する実践的な実習をおこなうことで即戦力となる技術を修得します。科学技術の急速な進歩は医療の発展に大きく関与し、それによって臨床工学技士に求められる役割もますます拡大しています。臨床工学学科では、チーム医療に求められる豊かなこころと確かな技術をもった臨床工学技士を育成しています。あなたも「いのちのエンジニア」臨床工学技士を目指してみませんか。
学科長 龍 則道
臨床工学学科は、卒業認定・称号授与の方針に掲げた人材養成のため、必要とされる教育内容と教育方法を体系的、計画的に編成し、講義・演習・実習等を適切に組み合わせた授業を開講します。
1. 基礎分野では、医療従事者として必要な科学的思考の基盤を形成すると同時に、高い倫理観と規範意識を醸成します。
2. 専門基礎分野では、臨床工学技士に必要な医学と工学の基礎知識を修得し、演習を通して専門的な理解を深めます。
3. 専門分野では、学内実習及び臨床実習を通して、臨床工学技士の業務とチーム医療における役割について実践的かつ能動的に学び、臨床能力を修得します。
時間割(前学期) | |||||||
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月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |||
1 | 9:00~10:30 | 数学 | 電気工学Ⅰ | 英語 | 接遇マナー・人間学 | コミュニケーション論 心理学 |
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2 | 10:40~12:10 | システム・ 情報処理工学 |
医用生体工学概論 | 内科・外科学 血液浄化装置学Ⅰ |
公衆衛生学 臨床生化学 |
生物化学 | |
3 | 13:10~14:40 | チーム医療概論 | 血液浄化装置学Ⅰ | 内科・外科学 | 保健体育 | ||
4 | 14:50~16:20 | 解剖生理学 | 物理学 |
時間割(後学期) | |||||||
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月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |||
1 | 9:00~10:30 | 計測工学 | 関係法規 血液感染学 |
医学用語学 | 医学概論 文章学 |
システム・ 情報処理工学 |
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2 | 10:40~12:10 | 血液浄化装置学Ⅰ | 電子工学Ⅰ | 医用生体工学概論 | 基礎医学実習 | 電気数理学 | |
3 | 13:10~14:40 | 応用数学 | 電気工学Ⅱ | 解剖生理学 | ITパスポート対策 血液感染学 |
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4 | 14:50~16:20 | 神経学 | 理工学演習Ⅰ | 病理学概論 | 保健体育 |
※ 時間割は、変更されることがあります。
臨床工学学科は、臨床工学技士に必要とされる以下の知識・技術・技能や人間性を身につけ、卒業に必要な単位を修得した学生に対し卒業を認定すると共に、専門士の称号を授与します。
1. チーム医療における他職種との協働を理解し、高いコミュニケーション力と共に医療倫理と規範意識を身につけている。
2. 幅広い知識と技術・技能を修得し、実践的な能力を身につけている。
3. 自ら課題を見出し、客観的分析から課題解決に向けて取り組むことができる力を身につけている。
医療人としての一般教養的な基礎科目、医学・工学の基礎となる専門基礎科目を学びます。カリキュラムに「接遇マナー・人間学」「文章学」などを取り入れ、多様性社会を理解し、情報化社会に幅広く対応できる能力を修得します。また、知識や技術だけでなく、医療に携わる者として「人の痛み」が理解できる心を養い、コミュニケーション能力を身につけます。
専門分野をより広くより深く学習し、実際に医用機器に触れながら、その構造や安全性について理解を深め、保守管理に関する実践的知識と技術を修得します。「第2種ME技術実力検定試験」「ITパスポート試験」など、各種の認定試験にもチャレンジします。
2年間で身につけてきた知識と技術をフルに活用し、実際の臨床現場を想定した学内実習、臨床実習、国家試験に挑みます。臨床実習は、総合病院や透析クリニックで行います。熊本県内を中心として宮崎県や鹿児島県に臨床実習施設があります。これまでの学習成果を発揮し、高い論理的思考と深い洞察力を兼ね備えた臨床工学技士を育てます。また、国家試験に向けて総復習を行い、確実な合格を目指します。
国家試験に合格することは、学生全員の目標であり、臨床工学技士としてスタートラインに立つことです。卒業生の100%国家試験合格率を目指し、講師陣が全力でバックアップしていきます。本学科のこれまでの国家試験の合格率は、全国平均に比べ高い水準を維持しています。
1・2年生の早い時期から国家試験問題を授業の中に取り入れています。最終目標を見据えて学習を行うことで、各授業で学んでいる内容の必要性を理解し、学習意欲の向上を図っています。
本学科では、多くの模擬試験を実施しています。模擬試験の結果から個人ごとのデータ分析を行い、国家試験合格に向けての学習対策を行います。模擬試験の問題は、過去に出題された問題はもちろん、日本臨床工学技士教育施設協議会で作成された全国統一模擬試験、本学科オリジナルの模擬試験など、数多くの問題を解くことで、実力アップを図ります。
本学科独自に作成した分野別対策プリントを使用し、徹底的に出題ポイントを特別ゼミにて学習していきます。また、少人数制によるグループ学習を行い、自分の課題をいち早く発見し、克服することで、学生全員の合格を目指します。
最先端の技術で患者様の笑顔を支える専門士。
高専在学中に医師であった父の影響もあり、医療の道へ進みたいという想いが芽生え、様々な医療職を探していました。その中で自分が今までに学んできた工業系の分野を活かすことのできる臨床工学技士を志すようになりました。
熊リハでの学びは、実習経験を豊富に積めるということはもちろんですが、在学中からチーム医療の大切さを学ぶことができる環境にあることも強みであると感じています。学生行事やサークル活動を通じた交流で築いた人の和は、大きな財産となっています。また就職の際のサポートも手厚く、先輩方が受けられた病院の就職試験内容や、親身にサポートしてくださる先生方との面接の練習を受け、準備万端で就職試験に臨むことができました。
今は血液浄化部門での業務を行っています。患者様が手術後に少しずつ回復されていく過程に立ち会わせていただくことが多く、元気になって退院される患者様の笑顔と言葉に、こちらが元気をもらっています。まだまだ学ぶことはたくさんありますが、患者様はもちろん、医師や看護師にも頼ってもらえる臨床工学技士になる事が現在の目標です。熊リハで学んだ技術、人の和を活かしてこれからも目標に向かって頑張ります。
熊本大学病院 園田 佳奈さん
宮崎県/都城工業高等専門学校出身
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